June 14, 2020
#170 伝える
人にものを伝えるって行為難しすぎませんか。
ただでさえ自分の考えていることを言葉に表すだけで難しいというのに、その言葉を相手が自分の意のままに受け取ってくれるとは限らないのです。しかも、自分は相手の言動から何を考えているかを理解しなければいけません。無理だ。個別指導のバイトをしている私のちょっとした悩み?です。
伝えるといえば、個人的に印象に残っている出来事があります。高校生の時です。授業でディベートをする機会があり、私たちのお題はたしか「水素社会は到来するか否か」というものでした。
同じ班のメンバーは優秀で、やる気もあり、入念に準備をして本番に臨みました。相手の主張に対する反論も準備してありましたし、自分たちの意見を通すための根拠も用意してありました。なんなら自分たちの主張に対する相手の反論まで想定していました。相手のチームからしても、ここまで本気でやってくるとは思っていなかったのではないでしょうか。終了時には、私たちの勝利を確信していました。
しかし、一つだけ私たちの想定していないことがありました。そう、当たり前のことですが、審判は予備知識も何もない人たちだったのです。さらに、教室割り当ての関係上、大半が文系クラスの人たちでした。
接戦の末、私たちは負けました。相手チームの勝因の大半は、ホワイトボードを用いて、視覚的にわかりやすく説明をしていたこと。そして、私たちのチームの言っていることがよくわからなかったことでした。
自分たちの意見を理論で武装することだけを考えて、言いたいことを時間内に詰め込むために早口で話しました。結果、審判団にはほとんど伝わっておらず、ただただ相手チームを論破するだけの自己満足で終わってしまいました。人にものを伝えるときに、伝える相手のことを考慮するというのは、私たちがこの授業で得た大切な教訓です。
とまあ、そんなことはわかっているのですが、実際にやるとなると非常に難しいことだと改めて気づきます。(個別指導の)生徒たちがどのように問題を解こうとしているかなんて、正直よくわかりませんし、自分がどうやっているのかもうまく言葉にできません。(ただでさえコミュ力低いっていうのに)
ですが、知らない人に勉強を教えるのも、(お金をもらえるとかいう話は抜きにして)意外と嫌いじゃないのかもしれないと思い始めた今日この頃です。(場合によってはものすごく疲れるので好きではないですけど)
(ペンネーム:雪見大福)
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