描いた夢とここにある今

高校時代、ある友人がこんなことを言っていた。「日本の子供達は、アンパンマンを見て正義と悪の概念を学び、ドラえもんを見て夢とその実現を学び、ちびまる子ちゃんを見て現実世界の皮肉と不条理を学ぶ」と。
なるほど、極論ではあるが確かに幼少期に見たものが大人になった時の考え方に影響するということはあるかもしれない。
僕にとって、それに当たる作品は、土曜の夕方に放送していた野球アニメ『メジャー』であった。持ち玉が直球のみであることに強いこだわりを持つ主人公吾郎の姿に、幼い頃の僕は憧れを持ったのだ。また彼がどんな苦境も根性で乗り越えていく姿を見ていたせいか、僕は昔から何をするにも目標指向なところがあった。
そんな私も近頃はと言うと、少しずつ野心が薄れつつあるなぁと感じることがある。選択を迫られた時、気付けば安定を選んでしまっている。
これが大人になりつつあるということだろうか。
5ヶ月前に始まった大学生活。卒業する頃には、どんな大人になっているのだろう。先輩や後輩、友人たちに笑われながらも、そんな彼らを夢中で惹きつけられるような、"おもしろい"大人、そういう大人に私はなりたい。

ペンネーム：ケンジ先生

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