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November 29, 2019

意味がわからない

スマホを失くした。
バイトに持ってきたはずのスマホがリュックに入ってなかった。

とりあえず家に帰ればGPSで場所が確認できる。後でその場所に回収しに行けば、別に大した問題にはならないだろう。

その時私はそう呑気に考えていた。


帰って早速、我がスマホの場所を確認してみた。
スマホが壊れてたりしてGPSが使えないのではと少し不安だったが、ちゃんとGPSは機能していた。
(よかった。)
ほっとしながら、場所を確認してみる。

 

 

……おかしい。GPSがおかしい。
知らない土地の住宅街の中。
知らない人の家をGPSが示していた。

もちろんそこを通った覚えなどない。
怖い。怖すぎる。
今は深夜1時だった。
さすがにこの時間に1人で確認しに行くのはあぶない。
パニック状態の頭でもその判断はできた。
 
とりあえず次の日の昼その場所に行って確認するしかない。
明日にはスマホが見つかるよね?と思いながら、その日は寝ることになった。


次の日は月曜だった。
大切なスマホなので、時間をやりくりして、なんとか昼休みに例の場所に探しに行く。

とりあえず私のスマホがあるらしき家を確認すると、いかにも学生が住んでそうなボロいアパートだった。
道端に落ちてないかなと思い、近所周辺を確認したが見つからない。
次の授業時間が迫っていたので、もやもやした気持ちを抱えながら大学に戻った。

 

いろいろぐるぐると考えながら授業を受けていると、夕方から雨が降るとの情報が。
 
(さすがに水没はまずすぎる。)
雨が降る前に一刻も早く見つけなければ。

そう思い、授業が終わって真っ先にまた捜索に向かった。


第二の捜索は、GPSの誤作動も考え、あらゆる所を探し回った。途中で予報通り雨が降ってきたが、ここまで来たらもう意地だ!と、びしょ濡れになりながら自転車を漕いで探し回った。

(ない。ない。ここにもない。
スマホはどこかにあるはずなのに。)


だいぶ探し回ったが見つからず、諦めモードに半分なりつつあった。
落ち込みながら、とぼとぼ帰る。


途中で例のボロアパートの通りに出たので、一度探したそのアパートにダメ元でもう一度寄ってみた。
(この部屋のどこかに私のスマホを持っている人が住んでいるのだろうか。)
そう思い、絶望しながらアパートを見つめていた。

 


その時ふとその家の駐輪場に駐めてある一台の自転車が目に入った。見覚えすらない、知らない人の自転車である。
そのカゴの中には何かが入っているようだった。

……もしかして。
まさかと思いカゴを見に行くと、むき身のスマホがあった。
私のスマホだった。

あった!あった!!
見つけた!!!

と思えた。…が、それも一瞬だった。


…スマホカバーがない。
スマホカバー"だけ"がない。


…結局、犯人はカバーを盗み、本体を自転車のカゴに放置していったようだった。

さよなら、私のiFace。
おかえり、私のiPhone。


犯人の意図が全くもってわからなかった。

 


ペンネーム ポタージュ

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