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June 1

#273 怖い

怖い夢でハッと目が覚めても、大抵は朝になってしまえば「何が怖かったんだ?」となっているか内容すら忘れてしまうことがほとんどだというのは多くの人が共感してくれるのではないかと思う。わたしも怖い夢は大抵そんなもんだけれど、ひとつだけいつまでたっても忘れない超怖い夢がある。
突飛で異様なシチュエーションすぎてこれが自分のどこから湧いて出たのかという怖さと、その状況でも夢の中の自分は何も違和感なくむしろ幸せな気持ちだったという二つの怖さがあって、それを見た中学生以来、怖すぎて共感してほしさにいろんな友人にその話をするのだけど大体はピンとこない様子でへぇと流されることが多い。まあそもそも他人の夢の話が一番つまらないというのは人間の共通認識だし、話初めに「これから夢の話をする」と宣言した時点でそれ以降聞き流されている可能性はあるけれど。ともかく相手の冷めた反応を見ては、怖さに興奮しながら話す自分との温度差にさらに怖くなるという悪循環に陥っている気がする。ただ、唯一母親だけが「やめて怖すぎる」と一緒におびえてくれた。夜にふとその夢を思い出してしまっても平気なのは一人だけでも共感してくれた事実があるおかげかなと思う。
怖いよりもその怖さをわかってもらえないことの方が怖い。ちなみに言うと、逆に自分にはわからない怖さに怯えている人も怖い…。

(ペンネーム:おじぎ )

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