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朝のロマン

「シリア、冬の朝五時。鉄道案内に太字でタウルス急行と記された汽車が、アレッポ駅のプラットホームに停車していた。」敬愛するアガサクリスティーの世界的有名作「オリエント急行の殺人」の冒頭の部分はこんな感じである。フランス語で小説を「roman」という。音だけ切り取ろう。ロマンがあるらしい。だから小説にはロマンが無くてはならないと思う。だからこそ自分との対比に苦しむ。冬の朝五時?バイトのために朝起きる。外は真っ暗、まだ月が出ている。目が覚めたらまだ外が真っ暗なのはいくら何でも…。週2日4時間の労働で「バイト仲間」の顔を覚える。全体の半分が4回生で占められている今のバイト先では知り合ってもすぐに赤の他人に戻ってしまうかもしれない。「テセウスの船」というパラドックスが存在するが、自分の体もバイト先も二度と同じ状態は存在しない。だからこそ今出会える相手との一度切りの時間を存分に味わいたいと思う。そんな「一期一会」にロマンがあるのではないだろうか。そうやって朝の5時、自分を奮い立たせて寒空の下ペダルを必死に回す自分がいる。

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