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ノートブック上の2本のペン

部員日誌

死んだ魚の目

じとーっとしたどこかうつろな視線を右斜め下に向けて歩く。ふと前を向き離合する人々の視線をうかがう。反応はない。そうだ、それでいい。それが目的なのだ。不自然に目を輝かせるとどうも周囲の注意を引くらしい。目が曇っていても、目が輝いていても、私の動きはかわっていないのだ。ただ、込み合う駅を目の色を変えるだけで周囲の人の反応は確かに変わる。ましてや、仮に、もしも仮に、白いダウンのコートを着た女性といっしょに歩いてみよう(もちろん、そんなことは決してありえない。白い、それももこもこのダウンを着た女性なんて机上の空論である。)そんなもしもの状況があれば確実に視線を集める。必要以上に。しかし、1年に数か月のみ希少な光景をみることができるという。虹よりも多くの光を背中に詰めて。世間の顰蹙を買ってはかなわない。世界の幸せの邪魔をしてはいけない。だからクリスマスの夜、足早に予備校に向かう去年があった。目の色を殺して歩けば誰もこちらを見たりしない。なんて好都合なんだ。今年はこちらのターンだ。フィギュアスケートは氷上の奇術師なんて言ったりする。だったらスピードスケートは直球でスピーディーに、そしてクールな動きを見せるはず。銀色の鏡の上から一歩外に出ると虹色の万華鏡があるかもしれない。今年は期待が持てるかも?クリスチャンじゃないから別に興味はないんだけれど。

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