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ノートブック上の2本のペン

部員日誌

#24-07 非日常

 大学に入学してから3か月弱。非日常が日常に変わったことで失ってしまったものがある。


  第一に京都大学への憧れである。周りに流され京大を志望したものの、志望校として照準を定めてからは少なからず京大生になることに憧憬の念を抱いていた。オープンキャンパスや受験のために京大へ足を運んだときには時計台を見て写真なんか撮っちゃって、クスノキのベンチで寝ている京大生をかっこいいとか思っちゃって、必要以上に気分が高揚していたように思う。もう既にその胸の高鳴りなど一切ない。なんというか、最近どうも、京大を見て興奮する、という感覚が恋しくて仕方がない。


  第二に電車に乗るという特別感である。地元は車社会、中高チャリ通学。電車に乗る機会というのは旅行の際に家から新幹線の駅に向かうときだけ。「電車に乗るという行為」は「楽しい旅行」とほぼ同値であった。京都に来てから移動手段として電車を使う機会が増え、電車に慣れてしまった。乗車してもなにも思わない、あろうことか先日電車で寝かけてしまったことには自分でも驚いた。電車に乗るだけで嬉々としていたあの特別感の喪失が、こんなに虚しさを感じさせるものだとは思わなかった。


  一方、私が大学生になってから私の前に非日常として出現し、まだ非日常でいてくれている存在もある。交通系ICカードだ。切符を握って電車に乗っていたことが阿呆だったと思ってしまうほど快適な支払い方法である。カードを買って誇らしげに改札を通ったが、カードを自慢した友人に今はICカードがスマホに内蔵されている時代だと聞かされ、自分が「時代を一歩遅れたもの」を手に入れて歓喜している人になっていることを知った。それでも、しばらくはカードを使い、ピピッの音に感動していたい。


ペンネーム マテーマタ

 
 
 

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