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ノートブック上の2本のペン

部員日誌

#24-18 一面的

 私が小学校高学年くらいの頃の話。その日の算数の授業は教科書の練習問題を各自で解くという内容だった。確か答えはどこにも載っていなくて、終わったら先生のところへ持って行くという感じだったと思う。


 私は算数が得意だったのでスラスラと問題を解いていたが、隣の席の子はそうはいかなかったようで、私のノートをチラチラと覗いては答えを書き写すという作業に徹していた。私がノートを隠そうとしても執拗に覗いてきたので、鬱陶しく思った私は、先生に言うでもなく、解き方を教えるでもなく、ただひたすらに問題を解き進め、次のページに進むことでカンニングをできなくしてしまった。すると答えがわからなくなった隣の子はしくしくと泣き出してしまった。


 その後どうなったかは覚えていないが、泣いている子を見た当時の私はしてやったりという気持ちだったと記憶している。確かに、算数の時間において算数のできる私は強者だったのかもしれないが、今思うと非常に陰湿な行為だったと反省している。 この出来事を思い出したのは私が塾講師として小学生に算数を教えているとき。算数が苦手で私の説明もなかなか理解してくれない子がいて、あの時の隣の席の子と重なった。


私は別に生きていく上で算数が絶対に必要とは思わない。だから子供に勉強勉強とは言いたくない。それでも塾講師として勉強を教えざるを得ない状況では、勉強ができない子を劣等生と見なしてしまう自分がまだいる。スケートリンクでこの子と出会っていたら、お互いに違う表情で向き合うことができただろうと思うと何だか悲しくなってくる。


 諦めているわけではない。せっかく時間を使っているのだから、私は今後もこの子が算数に興味を持ってもらえるように試行錯誤し続けたい。どうかこの子の未来が明るくなりますように。大学生アルバイト講師の分際で願っている。


no namae

 
 
 

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